どうして息子が死ななければならなかったのか。秋葉原無差別殺傷事件から1年半余り。大学生の長男=当時(19)=を奪われた男性(55)は「真相を知りたい」との思いを胸に、28日の初公判を迎えた。
あの日、事件を知らされ、現場付近へ駆け付けると、いつも通り自宅から送り出した長男が仮設の遺体安置所で横たわっていた。
友人と歩いていたところを加藤智大被告(27)のトラックにはねられた。夢だと信じたかったが、司法解剖後に帰宅した亡きがらを見て、長男の死を実感。冷たくなった体を抱きしめ、涙が止まらなかった。
自宅にはたびたび同級生らが訪れ、思い出を語ってくれた。昨年1月には、長男が出席するはずだった成人式にも参加。「夢や未来を奪われて無念だっただろう」と心情を思いやった。
昨年11月、加藤被告から手紙が届いた。その時は読む気になれず、約1カ月後に目を通すと、謝罪する一方で「事件のことはよく覚えていない」と記されていた。怒りがよみがえった。男性は「死刑にしてほしいのは当然だが、多くの人を苦しめた事件をなぜ起こしたのか、本人の口から聞きたい」と、公判の傍聴を続けるつもりだ。
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